私のある意味“すごい”特徴の一つに、「限りないうっかり者」があげられる。
小学校の頃を思い返すと、忘れ物がとても多くて、ランドセルを“忘れて”登校したことが数回、(反対に、学校にランドセルを忘れて帰ったこともある)、自分の靴と父のサンダルを履き間違えたまま登校したことが2回、体操服に着替えるときに、ズボンの下から顔を出したパジャマのズボンに気づいて(どうやら、パジャマのズボンを脱ぐことを忘れていたようだ)ビックリしたことが数回……と、うっかり事例を挙げるときりがない。友だちに「よく、ここまで無事に生きてこられたね」としみじみと言われるほどである。
私の母も、家庭訪問に来た先生に塩をかけたイチゴを出したり、財布と間違えてテレビのリモコンを持って買い物に出かけたりと、まるでサザエさんのような「うっかり者」なので、私は多分にその血を受け継いでいるのだと思う。
そんな私も、仕事のときは自分の特徴を無意識的に補完しているのか、お蔭さまでうっかりミスも少ない日々を過ごしているが、その分、自宅に帰ると気が抜けるのか、慌てて買い忘れた食材を求めてスーパーに戻ることは、日常茶飯事。
遠くに住んでいるジャイアンのような私の彼は、私の特徴をよく理解しているからか、私に会いに来る前日に「焼きそばが食べたい」と要望を言った上で、「今から飛行機に乗る。青のりと紅ショウガを忘れないように」とメールが、「今、羽田に着いた。青のりと紅ショウガを忘れないように」と電話が、そして「今からリムジンバスに乗る。青のりと紅ショウガを忘れないように?」と、とどめのメールを送ってくる。
彼から頻繁に確認の連絡があるので、私はいつも、「そんなに何回も言われるほど、頭は悪くないわ!」「しつこい!!」と腹を立てていたが、ふと思うことがあり、彼に尋ねてみた。
「もしかして、私がうっかりしないように、サポートしてくれてるの?」。
すると、「お前に文句を言うよりも、俺ができることをしようと思って」と満足げに応える彼。
この人、すごい! 仏さまの教えを知らないはずなのに、自然に仏さまの教えを実践してる……。これからは、確認の連絡があっても、腹を立てずにお礼を言おう。そして、自分でもうっかりしないように工夫しよう……、と心に決めた。
あっ! たこ焼きのタコを買ったのに、粉を忘れた!!
(まだまだ、「うっかり者」は健在……)