「心の中に明かり窓を持たない人はいません。
暗い牢獄の壁にも小さな明かり窓はあります。
自分の明かり窓に気づいた人は、もっと光を入れたい、もっと光を入れたいと
ひとりでに明かり窓をおしひろげていくでしょう」
これは、私の大好きなお言葉です。
前回「子ども電話相談員は、
子どもには自分で考える力があると信じ、
質問されても、答えを出すことはしません」と書きましたが、
なかには答えを導き出せない子もいます。
その子たちは、答えが出せないというよりも、
光を見失い、「暗くて怖いから、進めないんだよ」と
訴えているようでした。
ある日の電話では、
沈黙がつづいたあと、シクシク泣きはじめ、
1時間半ずーっと泣き続けた女の子と出会いました。
言葉にする勇気さえ持つことができないほどの深い悲しみが伝わり、
「大丈夫…ちゃんとつながってるよ」「ひとりじゃないよ」と
時折、声をかけることしかできませんでしたが、
話ができない状態でも、ひとりで泣くことを選択しなかったことが、
彼女の明かり窓に見え、
その明かり窓に、ぬくもりを届けられるあたたかい光になることを願い、
心の中でずっと抱きしめ続けました。
涙が止まって、少し笑えるようになって、かすかな光が見えてきて、ちょっとだけ進んでみようと思えるようになるには、たくさんのエネルギーが必要なのに、
そうなれるまで、そばにいて充電してくれる人が彼女にはいないかもしれない…と思い、
「このハグが生きるパワーになりますように」と必死でした。
振り返ってみると、それまでの私は、わが子に対しても、
「エネルギーを送る=愛の充電」という意識はありませんでした。
そこで、
子どもたちが描く未来が、キラキラ輝いていることを願い、
心の中が、いっぱいの光で満たされる「愛の充電」を始めることにしました。
1日たった10秒のハグです。
この「たった10秒のハグ」が引き起こした、
わが家の出来事を、次回ご紹介させていただきます。
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