「もしもし…、あの~、ママをたすけるには、どうしたらいいんですか?
あさも、がっこうでも、かえってきてからも、ずっとずっとかんがえてるけど、わからないの…」
父親のDVに悩む、小学校に入ったばかりの女の子からの電話です。
「あなたは、パパに叩かれたとき、どう思うの?」と尋ねると、
「あのね…、パパね…、とってもかなしそうなかおしてたたくの…。
だからね、パパをえがおにしてあげたいとおもうよ…。」
と、思いもよらない言葉に、涙が溢れました。
子ども電話相談員として、一番衝撃を受けた女の子との出会いでした。
私には、社会人になった長男・長女、大学生の二男がいます。
いつも幸せでありますように…、悲しむことがありませんように…と、
子どもたちを守ってあげてきたつもりでいましたが、
同じように、祈られ、必死になって守り続けてもらってきた私だったのです。
この女の子は、ずっと気づくことができなかった3人の健気な想いを、
私の心に届けてくれ、ただただ愛おしいだけの存在にしてくれました。
受話器から聞こえてくる子どもたちの「心の叫び」は、
私を大きく変えてくれました。
相談員になるまでの私は、
「子育て」「躾」=「子どもを変える」という意識がありましたが、
実際は「子どもを変える」必要は、まったくありませんでした。
子ども電話相談員は、
「子どもには自分で考える力がある」と信じ、
質問されても、答えを出すことはしません。
最後までじっと話を聴き、共感し、自分で答えが出せるまで寄り添います。
そのあとは「大丈夫、あなたならできるよ」と、そっと背中を押すだけです。
子どもたちとの出会いで、
人は、自分のすべてを受け入れ、
応援してくれる人が「たったひとり」いるだけで、
強くなれることを学びました。
私が聴いた「心の叫び」。
子どもたちが、本当に受け止めてもらいたいと願っているのは、お母さんです。
すべてのお母さんが、子どもの「たったひとり」の存在になることができれば、
子ども電話相談員は必要ありません。
でも、子どもたちはお母さんにそんな心の余裕がないことを見抜いているので、
相談の電話が鳴りやまないのです。
この子どもたちの願いを叶えるために、
私が、ママの「たったひとり」の存在になりたいと思うようになり、
ママと直接出会える『キャンドル教室』をはじめることにしました。
キャンドルの炎を見つめるだけで、瞑想と同じ効果があるといわれます。
忙しいママですが、自分の心を大切にする時間をつくってほしいと願っています。
そして、
キャンドルに火が灯るように、ママの心に火が灯り、
その灯りが輪になって、「この世界は、愛で満ち溢れているから安心してね!」と、子どもたちに伝えたくて、教室名を『マミーリングキャンドル』としました。
「あなたのことをいっぱい聴かせてください」、そんな気持ちで毎日を過ごしています。