「アジア・アフリカの人たちのために
募金をお願いしま〜す!」
幼い頃から私は、
毎年ユニセフ募金ボランティアに参加し
街頭で道行く人にこう呼びかけていました。
そして心の中で
「アジア・アフリカの人たちって、
どんな人たちなんだろう?」
と関心を持つようになり
いつの日か彼らと友だちになりたい、と
思うようになりました。
そんな私は今
不思議な縁に導かれ
タイに住み、タイ仏教に関する
翻訳や通訳をしています。
友だちだけではなく、
人生のパートナーとして縁あった夫もタイ人。
たくさんの善き仲間に恵まれながら
生活しています。
3年前、夫婦で勤めていたタイの大学の講師を辞め
東北タイにあるライトハウスという瞑想修行場に
3歳になる息子も一緒に移住しました。
自然に囲まれた環境の中で
気づきの瞑想(マインドフルネス瞑想)の会を企画・実施、
タイのお坊さまがなさる瞑想指導の通訳など、
日本とタイを仏教の側面から縁を繋げる役目を日々楽しんでいます。
タイに私がはじめて行ったのは、
今から25年前、大学生のとき。
高校生・大学生を対象とした
スタディツアーに参加したことでした。
旅の直前、タイのことを調べてみると
人口の95%が仏教徒であるとのこと。
実際どういう国なんだろう?と思いました。
そして、タイの首都バンコクに着き、
早朝ホテルの窓から下を眺めてみると、
見慣れない人たちが裸足で歩いていました。
彼らは、サフラン色の袈裟を着たお坊さんたちでした。
手には鉢を抱え、淡々と歩いています。
そして、家の前ではお坊さんを待っている人がいて
彼らはお坊さんの鉢へ食事を捧げ、
うやうやしく合掌しました。
それに応えてお坊さんたちは短いお経を唱え
また淡々と道を歩んでいきます。
この行為は、
お坊さんの毎日の修行である「托鉢」で
タイではどこでも見られる日常風景のひとつなのですが
はじめて見た当時の私はこの光景にびっくり!
一瞬おしゃかさまが生きていらっしゃった2500年前に
タイムスリップしたのだろうか?!と思うほどの衝撃でした。
バンコクは近代化した都市で、高層ビルが立ち並び
裸足で托鉢に歩くお坊さんの隣には、
高価な車がたくさん走っています。
ブッダが生きておられた頃からのライフスタイルを守る仏教が残されつつ
急成長する経済や発展していく社会と人々の暮らし。
新しいものと古いものが混じり合うタイにますます興味がわき
大学、大学院、そして留学と学びを続けてきました。
タイにはきらびやかな装飾をまとった「街の寺」と
自然の森の中にある質素な「森の寺」があります。
とりわけ深い学びを与えてくれたのは
森の寺で修行されるお坊さまたちでした。
森のシンプルな暮らしの中で
自分の体と心を丁寧に観て、
今ここに気づきを向ける瞑想修行に専念されています。
心身の悩みや苦しみをしっかりと観て
手放していく大切さ。
私自身も瞑想実践を通して実感するようになりました。
今、ここにある自分の「体と心」を通して
法という真理を学んでいく。
ブッダのライフスタイルと教えに日々接し、
家族とともに成長していける今を
これからも大切にしていきたいと思います。
noteにて「月間:浦崎雅代のタイの空(Faa)に見守られて」連載中。タイ仏教の説法を毎日翻訳しお届けしています(有料記事)。note : https://note.mu/urasakimasayo