「幸せになりたい」と思わない人は、多分いません。でも幸せの感じ方や生き方に対する価値観は個人差が大きく、多様性があります。2017年3月に発表された「世界幸福度ランキング」によると日本は幸福度51位、G7では最下位、OECD加盟国35カ国中27番目でした。戦後の焼け野原から高度成長を成し遂げ、国民総生産を一気に上位まで押し上げ、経済大国になり、物質的には相当恵まれた国に成長した日本の国民はそれほど「幸せ」を感じていない、ということなのでしょうか。
国連は世界幸福度を「ウェルビーイング」という国民の主観によって評価しています。そこには6つの指標があります。
①一人あたりの実質国民総生産(GDP)
②社会的支援の有無
③健康寿命
④人生の選択の自由度
⑤寛容さ
⑥汚職
幸福のために求められるのは、経済だけの問題では無く、自分を含めた周りの人達との関係や支援。健康や労働の問題、さらに公平で助け合う社会まで多岐に渡っていることが想像できます。
最近話題のワークライフバランスにおいてもここまで注目されているのは、労働が人々の健康で健全な人生を脅かしているかも知れないと、多くの人が思い始めたからだと思います。今満たされていると感じている人も、明日どうなるかは分からないという漠然とした不安。これがある以上今が幸せとは言い切れないかも知れません。
物質的にこれほど豊かになっても、幸せを感じられないのは何故か、問題は社会なのか政治なのか、それとも私たち自身の価値観なのか。幸せになるためにすべきことは何か、苦しんでいる人達を救う手立てはあるのか。様々な疑問の中で、それでも前を向いて生きていかなければならない。何らかの答えをみつけるためにみんな頑張っているのだと思います。